シティポップ名盤20選|AOR好きが選ぶ聴き方ガイド【保存版】

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AORを聴いてきた耳でシティポップの棚を眺めると、少し違う景色が見えてきます。ロサンゼルスのスタジオで磨かれたリズムセクションの感覚、ホーンとストリングスの重ね方、そして英語の歌が持っていた洗練を、日本語のメロディでどう鳴らすか。70年代後半から80年代半ばの東京では、その問いに多くの音楽家が本気で取り組んでいました。

この記事では、2026年6月に公開した18選を20選へ広げ、各アルバムの解説を大幅に書き直しました。選定の軸は三つです。第一に、プロデューサーや編曲者、リズム隊といった制作の顔ぶれが具体的にたどれること。第二に、洋楽AORと並べて聴いたときに共通点と違いがはっきり聴き取れること。第三に、山下達郎、坂本龍一、角松敏生、井上鑑といった作り手の線で、20枚が互いにつながって見えることです。1枚ごとに、どの曲のどこを聴けばその盤の個性がつかめるかを書き、あわせて「次に聴くなら」として洋楽AORの1枚を添えました。

シティポップがAORからどんな影響を受けたのかという歴史的な流れは、シティポップの源流としてのAORで詳しく整理しています。洋楽側の全体像をつかみたい方は、AOR名盤ランキング100選と行き来しながら読むと、両者の距離感がよりはっきりするはずです。

目次

20枚の早見表:制作陣と入口の1曲

No.アルバム発売年レーベルプロデュース/編曲の要入口の1曲
1山下達郎『RIDE ON TIME』1980AIR/RVC山下達郎(作曲・編曲)RIDE ON TIME
2大瀧詠一『A LONG VACATION』1981ナイアガラ/CBS・ソニー大瀧詠一(プロデュース)君は天然色
3竹内まりや『VARIETY』1984MOON山下達郎(プロデュース・編曲)プラスティック・ラブ
4山下達郎『FOR YOU』1982AIR/RVC山下達郎(作曲・編曲)SPARKLE
5松原みき『POCKET PARK』1980キャニオン(SEE・SAW)林哲司(「真夜中のドア」作曲・編曲)真夜中のドア〜stay with me
6寺尾聰『Reflections』1981東芝EMI井上鑑(編曲)HABANA EXPRESS
7来生たかお『Sparkle』1981キティ来生たかお(セルフプロデュース)、松任谷正隆(一部編曲)Goodbye Day
8杏里『Heaven Beach』1982フォーライフ瀬尾一三(全編曲)Last Summer Whisper
9EPO『GOODIES』1980RCA/RVC宮田茂樹(プロデュース)、山下達郎・清水信之ほか(編曲)Park Ave.1981
10中原めいこ『2時までのシンデレラ -FRIDAY MAGIC-』1982東芝EMI中原めいこ(全作詞・作曲)FRIDAY MAGIC
11飯島真理『Rosé』1983ビクター坂本龍一(プロデュース・編曲)きっと言える
12久保田利伸『SHAKE IT PARADISE』1986CBS・ソニー杉山卓夫ほか(編曲)Missing
13八神純子『COMMUNICATION』1985MOONジョン・スタンレー(プロデュース)、鷺巣詩郎ほか(編曲)COMMUNICATION
14角松敏生『SEA BREEZE』1981RCA/RVC角松敏生(全作詞・作曲)YOKOHAMA Twilight Time
15角松敏生『ON THE CITY SHORE』1983AIR/RVC角松敏生(セルフプロデュース・編曲)TAKE YOU TO THE SKY HIGH
16鈴木雅之『mother of pearl』1986EPIC・ソニー大沢誉志幸(プロデュース)ガラス越しに消えた夏
17笠井紀美子『TOKYO SPECIAL』1977CBS・ソニー鈴木宏昌(キーボード、バンドリーダー)バイブレイション
18高橋幸宏『Saravah!』1978キング(SEVEN SEAS)高橋幸宏・坂本龍一(共同プロデュース・編曲)SARAVAH!
19大貫妙子『SUNSHOWER』1977PANAM/クラウン坂本龍一(全編曲)都会
20南佳孝『SOUTH OF THE BORDER』1978CBS・ソニー坂本龍一(全編曲・共同プロデュース)日付変更線

レーベルは初出時のものです。発売年はいずれも各作品のオリジナル盤に基づいて確認しています。

20枚を一枚ずつ聴く:サウンドの特徴と次の1枚

1. 山下達郎『RIDE ON TIME』(1980)

1980年9月19日に発売された5作目のスタジオ・アルバムです。前年のツアーで出会ったドラムの青山純とベースの伊藤広規が80年初頭からレコーディングにも加わり、キーボードの難波弘之、ギターの椎名和夫と合わせて、録音とライブを同じ顔ぶれでこなす体制がここで固まりました。表題曲は山下自身が出演したマクセルのカセットテープCMに使われ、同年5月のシングルがオリコン3位まで上がる初めてのヒットになっています。作詞の多くは吉田美奈子が手がけました。

聴きどころは、何より青山と伊藤のコンビが生む粘りのあるビートです。「RIDE ON TIME」では、キックとベースがほぼ同じ位置でアクセントを打ち、その上をカッティング・ギターが細かく刻みます。音数は多くないのに前へ押し出す力が強く、このリズム隊が後の竹内まりや作品まで続く山下サウンドの土台になったことがよくわかります。

一方でB面の「RAINY DAY」や「雲のゆくえに」では、ストリングスやエレクトリック・ピアノが前に出て、都会的なバラードの表情を見せます。ヒット曲の勢いだけで作られた盤ではなく、ソウルとソフトロックの間を行き来する構成力そのものを味わうアルバムです。

次に聴くなら:Doobie Brothers『Minute by Minute』。カッティング・ギターと分厚いコーラスでソウルをロックに持ち込んだ1978年の名盤で、山下のリズム感覚と並べると、同じ時代に海の両側で何が起きていたかが見えてきます。

2. 大瀧詠一『A LONG VACATION』(1981)

1981年3月21日、ナイアガラ・レーベルからCBS・ソニーの配給で発売されました。鈴木茂、細野晴臣、林立夫、井上鑑、松任谷正隆らが録音に参加しています。当初は大瀧の誕生日である7月28日の発売予定でしたが、制作の都合で発売は翌81年3月までずれ込み、その間に「君は天然色」「カナリア諸島にて」が書き上げられています。オリコン最高2位、1年以内に100万枚を突破し、CDの発売が始まった1982年10月1日には、最初期の50タイトルの一枚(35DH 1)としてCD化されています。

このアルバムの音は、フィル・スペクター流の「音の壁」を日本のスタジオ・ミュージシャンで再構築したものです。「君は天然色」の冒頭、カウントのあとに一気に広がるサウンドは、複数のギターやピアノ、パーカッションを同時に鳴らし、それを残響で溶かし込んで作られています。

AORの耳で注目したいのは「雨のウェンズデイ」と「恋するカレン」です。テンポを落とした曲ほど、エレクトリック・ピアノとストリングスの配置がよく聴こえます。永井博のイラストを使ったジャケットとともに、リゾートの景色を音で描くという80年代シティポップの型を作った一枚です。

次に聴くなら:Christopher Cross『Christopher Cross』。1979年の同時代、透明感のあるハイトーンと隅々まで磨かれたLAのスタジオ・サウンドで、夏の空気を描いた洋楽側の代表作です。

3. 竹内まりや『VARIETY』(1984)

活動休止期間を経て、1984年に発表された復帰作です。移籍先はアルファ系列のMOONレーベルで、山下達郎がプロデュースとアレンジを全面的に担当しました。それまで提供曲を歌うことが多かった竹内が、全曲の作詞・作曲を自分で手がけた点が大きな転機で、オリコンのアルバムチャートでは初登場1位を記録しています。

入口はやはり「プラスティック・ラブ」です。録音は音響ハウスで、ドラムは青山純、ベースは伊藤広規という『RIDE ON TIME』以来のリズム隊。山下自身がギター、ピアノ、シンセサイザーを弾き、コーラスには竹内本人と大貫妙子が加わっています。中盤のテナー・サックス・ソロはアーニー・ワッツによるもので、ベースのフレーズが曲の最後まで同じ形を保ちながら少しずつ熱を帯びていく、その持続感がこの曲の核です。

もっとも、この曲はアルバムの中ではむしろ異色作で、全体はオールディーズやマージービートへの愛着が色濃く出ています。「マージービートで唄わせて」の軽やかなギター・ポップと並べると、竹内の引き出しの広さがわかります。「プラスティック・ラブ」は1985年に12インチ・シングルとしても発売され、2017年ごろからYouTube上で世界的に再生されたことで、シティポップ再評価のきっかけの一つになりました。

次に聴くなら:Sade『Diamond Life』。同じ1984年に英国から登場した、クールなグルーヴとサックスの響きが印象的なデビュー作です。夜の都市を描く温度感が「プラスティック・ラブ」とよく響き合います。

4. 山下達郎『FOR YOU』(1982)

1982年1月21日に発売された6作目で、オリコンLPチャートで1位を獲得しました。『RIDE ON TIME』の成功を受けて制作環境に余裕が生まれ、新作のために計27曲が録音されたとされます。リズム隊は引き続き青山純と伊藤広規で、佐藤博と難波弘之が鍵盤、土岐英史がアルト・サックスを担当しました。

1曲目「SPARKLE」は、ステージ用に購入したフェンダー・テレキャスターの音色を生かすために書かれた曲です。イントロのカッティングは、硬く乾いた単音の刻みが左右に広がり、そこへホーン・セクションが鋭く切り込みます。このギターの音こそが本作の主役と言ってよく、以後のレコーディングとライブでも同じギターが使われ続けました。「LOVELAND, ISLAND」はビールのCM用に書き下ろされた曲で、ブラジルの路上で踊る映像に合わせてテンポが決められたという逸話があります。

ラストの「YOUR EYES」は、もともと竹内まりやへの提供を想定して書かれたとされる曲を山下自身が録音したもので、英語詞はアラン・オデイが書きました。多重録音のアカペラ・コーラスが静かに重なっていく終わり方は、ソウルのバラードに対する深い敬意を感じさせます。

次に聴くなら:Bobby Caldwell『Bobby Caldwell』。ホーンとエレクトリック・ピアノを効かせたブルー・アイド・ソウルの代表作で、「YOUR EYES」の英語詞の響きを好む方には自然な次の一歩です。

5. 松原みき『POCKET PARK』(1980)

1980年1月21日に発売された松原みきのファースト・アルバムで、オリコン最高13位を記録しました。前年11月5日に出たデビュー・シングル「真夜中のドア〜stay with me」を収録しています。この曲の作詞は三浦徳子、作曲と編曲は林哲司です。シングルとしてのオリコン最高位は28位でしたが、40年後の2020年、海外のYouTuberによるカバーをきっかけに原曲が注目を集め、同年12月にはSpotifyのグローバル・バイラル・チャートで18日連続1位を記録しました。

「真夜中のドア」を聴くときは、ベースとドラムが作る16ビートの粒立ちに耳を向けてみてください。ハイハットが細かく刻む上で、ベースがシンコペーションを効かせて動き回り、そこへストリングスがゆったりと乗ってきます。林哲司の編曲は、ディスコの推進力とバラードの情感を一つの曲の中で両立させており、この曲が国境を越えて聴かれた理由もそこにあると考えられます。松原の声は、張り上げずに少し低めの音域で語るように歌われ、都会の夜の距離感を的確に伝えます。

アルバムは2021年3月にポニーキャニオンから重量盤LPで再発されており、アナログで集めたい方にも入手の道が開かれました。

次に聴くなら:Patrice Rushen『Pizzazz』。1979年、ジャズ出身の鍵盤奏者がソウルとディスコの感覚で作ったアルバムで、「真夜中のドア」と同時代のグルーヴを洋楽側から確かめられます。

6. 寺尾聰『Reflections』(1981)

1981年に東芝EMIから発売された、俳優として知られる寺尾聰のアルバムです。全曲の作曲を寺尾自身が、編曲をすべて井上鑑が担当しました。収録曲「ルビーの指環」(作詞:松本隆)がロングヒットとなり、第23回日本レコード大賞を受賞しています。アルバムもオリコン1位を獲得し、売上は約164万枚。井上陽水『氷の世界』の記録を塗り替え、1990年に松任谷由実『天国のドア』に抜かれるまで、国内アルバム売上の首位に立ち続けたとされています。

このアルバムの面白さは、井上鑑のアレンジが曲ごとにまったく違う洋楽の語法を持ち込んでいる点にあります。1曲目「HABANA EXPRESS」はラテン風のファンクで、パーカッションとベースが絡み合う上にホーンが切り込みます。「喜望峰」ではレゲエのリズムが使われ、「渚のカンパリ・ソーダ」はオールディーズ風のポップス。それでも散漫に聴こえないのは、寺尾の低く乾いた声と、抑制の効いたミックスが全体のトーンを統一しているからです。

8分を超える「二季物語」は、本作の中でもっともAOR的な一曲と言えます。長い間奏でエレクトリック・ピアノとギターがゆっくりと展開し、歌のない時間そのものを聴かせる作りです。

次に聴くなら:Boz Scaggs『Middle Man』。1980年、デヴィッド・フォスターらと組んだスタジオ・サウンドの極致で、低めの声で都会の陰影を描く点が寺尾聰とよく重なります。

7. 来生たかお『Sparkle』(1981)

1981年にキティレコードから発売された、来生たかお初のセルフプロデュース作です。作詞は姉の来生えつこ、作曲は来生たかお。編曲の多くは「矢倉銀」名義で、これは来生自身の変名です。「Goodbye Day」や「気配」など数曲は松任谷正隆が編曲しました。録音はKRSスタジオと伊豆スタジオで行われ、ジャケット写真も伊豆スタジオ近くの浜辺で撮影されています。オリコンのLPチャートでは最高54位でした。

入口となる「Goodbye Day」は、同年5月21日に発売されたシングルと同じ曲で、フジテレビ系ドラマ『愛のホットライン』の主題歌に使われました。ただしアルバム版はシングルとミックスが異なり、エンディングが長くとられています。ピアノの和音が柔らかく広がり、ストリングスが控えめに寄り添う中で、来生の声は息の成分を多く含んだまま淡々とメロディを追っていきます。

アルバムは「Much more…」という短い曲で始まり、同じ曲のリプライズで終わる構成で、全体が一つの作品として閉じられています。なお、来生の代表曲として知られる「夢の途中」は同年11月のシングルで、本作には収録されていません。ヒット曲集ではなく、作家としての来生姉弟の世界を一枚で味わう盤として向き合うのがよいでしょう。

次に聴くなら:Michael McDonald『If That’s What It Takes』。ピアノを軸にしたソングライターが、自らの声とメロディで静かに熱を伝える1982年のソロ・デビュー作です。

8. 杏里『Heaven Beach』(1982)

1982年11月21日にフォーライフ・レコードから発売された4作目のスタジオ・アルバムです。デビュー以来すべての編曲を手がけてきた瀬尾一三が本作でも全曲を担当し、楽曲は角松敏生、ブレッド&バター、小林武史らが提供しています。前作『哀しみの孔雀』のヨーロッパ志向のサウンドから一転、軽快なポップスへと舵を切った作品で、杏里にとってのターニング・ポイントと位置づけられています。オリコン最高位は89位でしたが、のちの評価は当時の順位を大きく上回っています。

注目したいのは、角松敏生が作詞・作曲した「Last Summer Whisper」です。ゆったりとしたミディアム・テンポで、ベースが柔らかく弾み、エレクトリック・ピアノのコードが夏の終わりの空気を描きます。サビに向けてコーラスが厚みを増していく構成は、角松が自身のアルバムで突き詰めていく手法の原型と言えます。海外のリスナーの間でも特に人気の高い曲です。

この後、杏里は角松敏生のプロデュースで『Bi・Ki・Ni』『Timely!!』『COOOL』と続く、いわゆる角松三部作に進みます。本作はその手前で、瀬尾一三の端正なアレンジと新しい作家陣の楽曲が出会った、過渡期ならではのバランスが魅力です。

次に聴くなら:Nicolette Larson『Nicolette』。1978年、腕利きのセッション・ミュージシャンに支えられた女性シンガーのデビュー作で、外部作家の曲を伸びやかに歌いこなす点が『Heaven Beach』と重なります。

9. EPO『GOODIES』(1980)

1980年11月21日にRCA/RVCから発売された2作目です。デビュー作『DOWN TOWN』からわずか8か月後のリリースで、プロデューサーは引き続き宮田茂樹。ニューヨーク、ロサンゼルス、東京で録音され、EPOにとって初めての海外録音となりました。編曲は山下達郎と清水信之がそれぞれ担当したほか、ニューヨークのハロルド・ウィーラーらも名を連ねています。コーラスには山下達郎、大貫妙子に加え、現地のボーカリストが参加しました。

入口の1曲はキリンレモンのCMソングに使われた「Park Ave.1981」で、編曲は清水信之です。軽く跳ねるリズムの上で、EPOの明るく張りのある声がメロディをすべるように進んでいきます。一方、アルバムの表題曲「GOODIES」と「分別ざかり」は山下達郎の編曲で、ギターのカッティングとコーラスの重ね方に、同時期の『RIDE ON TIME』と共通する感触があります。EPO自身の希望で取り上げた山下作の「パレード」も収録されています。

EPOは後年、本作について弦のオーケストラの響きが素晴らしかったと振り返っています。海外録音のストリングスは、日本のスタジオとは異なる広がりと柔らかさを持ち、ポップな曲調の中に余裕のある空間を作り出しています。

次に聴くなら:George Benson『Breezin’』。クラウス・オガーマンのストリングス・アレンジがギターと歌を包む1976年の名盤で、海外録音の弦の響きに惹かれた方にはうってつけです。

10. 中原めいこ『2時までのシンデレラ -FRIDAY MAGIC-』(1982)

1982年12月21日に東芝EMIから発売された2作目のアルバムです。デビュー作と誤解されることがありますが、ファースト・アルバムは同年7月1日の『COCONUTS HOUSE』で、本作はそのわずか半年後に届けられました。全曲の作詞・作曲を中原自身が手がけています。彼女の名を広く知らしめた「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」は1984年の化粧品キャンペーン・ソングで、本作はそれ以前のシティポップ/AOR色の濃い時期を代表する作品です。

アルバムは「FANTASY」で幕を開け、「ジゴロ」「ココナッツの片想い」と、ブラスを効かせたダンサブルな曲が続きます。表題に含まれる「FRIDAY MAGIC」は、ホーン・セクションが短いフレーズを鋭く刻み、ベースがスラップ気味に跳ねる、ディスコとファンクの影響が色濃い一曲です。中原の声は軽やかでチャーミングで、リズムに対する食いつきがよく、ホーンとの掛け合いでも埋もれません。

ラストに置かれた「2時までのシンデレラ」は、テンポを落としたバラードで、華やかな週末の夜が終わっていく情景を描きます。前半の賑やかさとの対比で、アルバム全体が一晩の物語のように感じられる構成です。

次に聴くなら:Earth, Wind & Fire『All ‘n All』。1977年、ホーン・セクションとコーラスが一体となってうねる名盤で、「FRIDAY MAGIC」のブラスの原点をたどることができます。

11. 飯島真理『Rosé』(1983)

1983年9月21日にビクターから発売されたデビュー・アルバムで、プロデュースと編曲を坂本龍一が手がけました。作詞・作曲はすべて飯島自身です。デモテープを送ったことがきっかけで1982年にビクターと契約し、同時期にアニメ『超時空要塞マクロス』のリン・ミンメイ役に起用されたことで、歌手デビューの前から広く名を知られる存在でした。参加ミュージシャンには後藤次利、林立夫、大村憲司、清水靖晃らが名を連ねています。

同じ年に坂本が手がけた大貫妙子『SIGNIFIE』とも通じる、エレクトロ・ポップの質感が本作の特徴です。シンセサイザーのシーケンスが規則正しく刻む上に、後藤次利のベースと林立夫のドラムが生の揺れを加え、機械と人間の演奏が独特のバランスで共存しています。「ブルーベリー・ジャム」の軽快な電子音から始まり、飯島の透明感のある高い声が、甘くなりすぎない距離感で響きます。

入口の1曲「きっと言える」は、同年11月5日に「ひみつの扉」とのカップリングでシングル化されました。ピアノのリフレインとシンセのパッドが穏やかに重なり、坂本らしい和声の移ろいが短い曲の中に凝縮されています。アニメのイメージとは別の、シンガーソングライターとしての飯島真理を知る出発点です。

次に聴くなら:Donald Fagen『The Nightfly』。1982年、デジタル録音の精密さと生演奏の温かさを両立させた傑作で、『Rosé』の電子音と生音の共存をより大人の語法で味わえます。

12. 久保田利伸『SHAKE IT PARADISE』(1986)

1986年9月にCBS・ソニーから発売された久保田利伸のデビュー・アルバムです。久保田は1985年から作曲家として活動しており、デビュー前に業界向けに配布した自主制作デモ「すごいぞ!テープ」の楽曲の一部が、アレンジし直されて本作に収められました。編曲は杉山卓夫が多くの曲を担当し、武部聡志、中村哲らも参加。ボーカルとコーラスのアレンジは久保田自身が手がけ、マスタリングはダグ・サックスが担当しています。

冒頭の「流星のサドル」は、跳ねるシンセ・ベースとタイトなドラムに、久保田のファルセットを交えたボーカルが躍動する一曲です。日本語の歌詞を16ビートに乗せる際のリズムの細かさは、それまでの歌謡曲とは明らかに違い、ブラック・ミュージックの語法をそのまま日本語に移植しようとする意志が感じられます。

一方の「Missing」は、ピアノとシンセのパッドを基調にした長尺のバラードで、久保田の代表曲の一つとして知られています。抑えたAメロから感情を解き放つサビまで、ゴスペルやソウルのバラードに通じるダイナミクスで歌い上げます。80年代後半のシティポップが、ブラック・コンテンポラリーと接近していく転換点を記録した一枚です。

次に聴くなら:Stevie Wonder『Songs in the Key of Life』。ファンクからバラードまで一人のソングライターが描き切った1976年の大作で、久保田の音楽の源流を確かめるのにふさわしい一枚です。

13. 八神純子『COMMUNICATION』(1985)

1985年2月10日に発売された、ディスコメイトからアルファ・ムーンへの移籍第1弾です。プロデューサーは英国出身のジョン・スタンレー(J.J.Stanley)で、彼がプロデュースした八神作品の第1作にあたります。編曲は鷺巣詩郎、矢島賢、大村雅朗の3人が分担。オリコンでは最高9位を記録しました。

1曲目「IMAGINATION」から、ゲートリバーブのかかったドラムとシンセ・ベースが鳴り響き、70年代の「みずいろの雨」の頃とはまったく違う、85年らしいデジタル・サウンドが展開します。先行シングル「チーター (CHEATER)」は矢島賢の編曲で、ギターが前に出たロック寄りの仕上がり。八神の伸びやかな高音は、硬質な音像の中でもしっかりと芯を保っています。

表題曲「COMMUNICATION」と「REACHING OUT」はスタンレーの作詞・作曲で、英語の歌詞をそのまま歌う洋楽志向の作品です。表題曲は同年3月にロンドンでリミックスを施した12インチ・シングルとしても発売されました。また「BELIEVING」は少年隊が出演した映画『19 ナインティーン』の挿入歌です。

次に聴くなら:Mr. Mister『Welcome to the Real World』。同じ1985年、シンセとゲートリバーブのドラムで作られた洋楽側のアリーナ・ポップで、『COMMUNICATION』の音像の同時代性がよくわかります。

14. 角松敏生『SEA BREEZE』(1981)

1981年6月21日、デビュー・シングル「YOKOHAMA Twilight Time」と同日にRCA/RVCから発売されたデビュー・アルバムです。全曲の作詞・作曲は角松自身。録音は1981年2月23日から4月7日にかけて、サウンド・イン、日音、一口坂、RVCの各スタジオで行われました。ドラムに村上“ポンタ”秀一と林立夫、ベースに後藤次利と富倉安生、ギターに鈴木茂、松原正樹、今剛、キーボードに井上鑑と佐藤準と、当時の一線級のスタジオ・ミュージシャンが勢ぞろいしています。コーラスにはEPOも参加しました。

新人のデビュー作としては異例の豪華な布陣ですが、聴きどころはむしろ、その演奏陣が角松の書いたメロディにどう寄り添っているかです。「YOKOHAMA Twilight Time」では、ポンタのドラムが軽やかにスネアを転がし、松原正樹や今剛のギターが細かいオブリガートで歌の隙間を埋めていきます。若々しい角松の声は、夏と海を描く楽曲の爽やかさとよく合っています。

2016年には、オリジナルのアナログ・マルチテープを生かしつつ歌を録り直し、角松自身の監修でミックスした『SEA BREEZE 2016』が発売されました。

次に聴くなら:Larry Carlton『Larry Carlton』。1978年、「Room 335」で知られるセッション・ギタリストのソロ作です。松原正樹や今剛のギターに惹かれた方は、その源流をここに見つけられるでしょう。

15. 角松敏生『ON THE CITY SHORE』(1983)

1983年5月21日にAIR/RVCから発売された3作目です。杏里への楽曲提供を経て、本作から角松はセルフ・プロデュースに踏み出しました。全曲の作詞・作曲・編曲を自ら手がけ、ホーンとストリングスのアレンジは佐藤準が担当しています。ベースには青木智仁、キーボードには友成好宏と佐藤準が参加し、録音は日音スタジオ、音響ハウスなど複数のスタジオで行われました。オリコン最高位は21位です。

本作の魅力は、アルバム全体を一つの流れとして設計した構成力にあります。「SUMMER EMOTIONS」から短いインタールード「RYOKO!!」を挟んで「BEACH’S WIDOW」へ、また「ANKLET」から「DREAMIN’ WALKIN」へと、曲同士がクロスフェードでつながっていきます。

シングル「TAKE YOU TO THE SKY HIGH」は、シングル版では数原晋のトランペットが間奏を担っていましたが、アルバム版ではシンセサイザーのソロに差し替えられています。この違いを聴き比べると、角松が生楽器とシンセの使い分けにどれほど意識的だったかがわかります。本作を境に、彼のテーマは夏と海から、都会の夜と大人の生活へと移っていきました。

次に聴くなら:Airplay『Airplay』。デヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンが1980年に残した唯一のアルバムで、精緻なアレンジとギターの切れ味は、角松のセルフ・プロデュースが目指した方向と重なります。

16. 鈴木雅之『mother of pearl』(1986)

ラッツ&スターの活動休止を経て、1986年2月26日にEPIC・ソニーから発売されたソロ・デビュー・アルバムです。同日にソロ・デビュー・シングル「ガラス越しに消えた夏」も発売されました。プロデュースは大沢誉志幸。作曲陣には大沢のほか、デビュー前の岡村靖幸と久保田利伸、ホッピー神山らが名を連ね、鈴木自身も数曲を書いています。A面の5曲はホッピー神山が編曲を担当しました。

入口の「ガラス越しに消えた夏」は大沢誉志幸の作曲で、ギターには布袋寅泰が参加しています。シングルはオリコン15位を記録し、日清食品「カップヌードル」のキャンペーン・ソングにも使われました。大沢は、自身のヒット曲「そして僕は途方に暮れる」で別れた男女のその後を描いた曲だと語っています。シンセのリフとエッジの効いたギターが冷たい質感を作る中、鈴木の深く柔らかいバリトンが情感を一手に担う、その対比が聴きどころです。

ドゥーワップやソウルを出発点にした鈴木の声は、80年代半ばのデジタルなサウンドの中に置かれても、少しも古びずに響きます。前の項で取り上げた久保田利伸が作曲家としてここに参加している点も、80年代後半の日本のブラック・ミュージック志向が一つの人脈でつながっていたことを示しています。

次に聴くなら:Marvin Gaye『I Want You』。1976年、リオン・ウェアと作り上げた官能的なソウルの名盤で、鈴木雅之の歌の根にある色気の源流をたどることができます。

17. 笠井紀美子『TOKYO SPECIAL』(1977)

ジャズ・シンガーとして海外の音楽家との共演を重ねてきた笠井紀美子が、1977年にCBS・ソニーから発表した日本語のアルバムです。あえて日本人のソングライターとミュージシャンを起用し、日本語でジャズを届けるという試みでした。全曲の作詞は安井かずみ。作曲陣には山下達郎、筒美京平、矢野顕子、鈴木宏昌、横倉裕、森士郎、鈴木勲が並びます。サウンドを支えたのは鈴木宏昌のキーボードを中心に、市原康(ドラムス)、岡沢章(ベース)、松木恒秀(ギター)らのバンドで、表題曲には日野皓正がトランペットで参加しています。

入口の「バイブレイション」は山下達郎の作曲です。もとは細野晴臣がプロデュースしていた米国人歌手リンダ・キャリエールのために書かれた「Love Celebration」でしたが、そのアルバムは当時発売に至らず、安井かずみが日本語詞をつけて笠井が歌うことになりました。岡沢章のベースが太く弾み、ストリングスとホーンがきらびやかに重なる中、笠井の声はジャズ・シンガーらしい余裕をもってリズムの後ろ側に乗っていきます。

筒美京平作曲の「夏の初めのイメージ」など、歌謡曲の大家の筆によるメロディがジャズ・ミュージシャンの演奏で響くのも本作ならではの面白さです。

次に聴くなら:Crusaders『Street Life』。1979年、ジャズ・ファンクのバンドにランディ・クロフォードの歌声が乗った名作で、ジャズの演奏力と歌もののポップさが出会う瞬間を洋楽側で味わえます。

18. 高橋幸宏『Saravah!』(1978)

1978年6月21日にキングレコードのSEVEN SEASレーベルから発売された、高橋幸宏初のソロ・アルバムです。サディスティックスの活動中、同年2月に録音されました。タイトルはピエール・バルーのレーベル名「サラヴァ」に由来します。坂本龍一が高橋とともに共同プロデュースと編曲を担い、リズムの編曲は高橋、ブラスとストリングス、キーボードの編曲は坂本が担当しました。細野晴臣、鈴木茂、高中正義、大村憲司、加藤和彦らが参加し、コーラスには山下達郎と吉田美奈子が加わっています。

本作はYMO結成直前の記録であり、ヨーロッパ志向の強さが後のニュー・ウェイヴ傾倒の起点とされています。「VOLARE」「C’EST SI BON」「MOOD INDIGO」といったスタンダードを取り上げながら、どれも洒脱なアレンジで再構成されています。

表題曲「SARAVAH!」や「SUNSET」では、高橋のドラムが軽やかに跳ねるリズムを刻み、その上で彼の少し照れたような歌声が飄々と流れていきます。2018年には当時のマルチトラックを使い、ボーカルを全面的に録り直した『Saravah Saravah!』も発売され、高橋は「やっと完成した感覚」と語りました。

次に聴くなら:Boz Scaggs『Silk Degrees』。1976年、のちにTOTOを結成する演奏陣が支えた洒脱なスタジオ・ポップで、ジャンルを横断する遊び心が『Saravah!』と響き合います。

19. 大貫妙子『SUNSHOWER』(1977)

1977年7月25日にPANAMレーベル(クラウン)から発売された2作目のソロ・アルバムで、全曲の編曲を坂本龍一が担当しました。ドラムには、ニューヨークのバンド、スタッフでの演奏を見て起用が決まったクリス・パーカーを招いています。録音は1977年5月13日から6月6日まで、東京のサウンド・シティとクラウン・スタジオで行われました。パーカーの来日前にアレンジを仕上げておく必要があったため、それまでの大貫作品の中で最も短期間で録られた一枚になったといいます。細野晴臣、大村憲司、松木恒秀、後藤次利らも参加しています。

聴きどころは、何といってもクリス・パーカーのドラムです。1曲目「Summer Connection」では、ハイハットとスネアのゴースト・ノートが細やかに絡み、ニューヨークのフュージョンそのものの柔らかいグルーヴが立ち上がります。「都会」では、坂本のエレクトリック・ピアノがひんやりとしたコードを重ね、大貫の澄んだ声が都市の孤独を描き出します。

2014年にテレビ番組『YOUは何しに日本へ?』で本作が取り上げられたことをきっかけに注目が高まり、その後たびたびアナログ盤が再発されました。

次に聴くなら:Steely Dan『Gaucho』。ニューヨークの名手たちを集めて精密に作り込まれた1980年の作品で、フュージョンの演奏力とポップスの歌を同じ温度で融合させる姿勢が『SUNSHOWER』と通じます。

20. 南佳孝『SOUTH OF THE BORDER』(1978)

1978年9月21日にCBS・ソニーから発売された南佳孝の3作目です。全曲の作曲は南、編曲はすべて坂本龍一で、音楽プロデュースも二人の共同名義です。ドラムに林立夫と高橋幸宏、ベースに細野晴臣と高橋ゲタ夫、ギターに鈴木茂と松原正樹、キーボードに坂本龍一が並び、佐藤博がピアノ・ソロを弾いています。ジャケットには池田満寿夫のリトグラフ「愛の瞬間」が使われました。

本作はサンバやボサノヴァなどラテン音楽を大胆に取り入れ、のちのトロピカル・サウンドの流行に先駆けた作品とされています。南は、最初の打ち合わせで曲の大まかな輪郭を坂本に伝えただけだったにもかかわらず、仕上がったアレンジが想像をはるかに超えていたと語っています。1曲目「夏の女優」(作詞:来生えつこ)から、パーカッションの軽快な刻みとエレクトリック・ピアノの柔らかな響きが、南の甘くかすれた声を引き立てます。

入口の1曲「日付変更線」は松任谷由実の作詞で、大貫妙子とのデュエットです。ゆったりとしたボサノヴァのリズムに二人の声が溶け合い、坂本のアレンジが海の向こうへの視線を描き出します。ここで本記事の20枚は一巡し、作詞の来生えつこ(No.7)、ドラムの高橋幸宏(No.18)、デュエットの大貫妙子(No.19)と、多くの顔ぶれが一枚の中で再会します。

次に聴くなら:Ned Doheny『Hard Candy』。1976年、西海岸の陽光とソウルの洗練を併せ持ったシンガーソングライターの代表作で、南佳孝の甘い声とリゾート感覚に通じる一枚です。

20枚をどの順で聴くか:作り手でたどる3つのルート

番号順でもかまいませんが、作り手の線でたどると各盤の個性がくっきりします。

  • 山下達郎ルート:『RIDE ON TIME』→EPO『GOODIES』→『FOR YOU』→竹内まりや『VARIETY』→笠井紀美子『TOKYO SPECIAL』。青山純と伊藤広規のリズム隊が固まっていく過程と、山下の作曲・編曲が他のシンガーの作品でどう鳴ったかを追えます。
  • 坂本龍一ルート:大貫妙子『SUNSHOWER』→高橋幸宏『Saravah!』→南佳孝『SOUTH OF THE BORDER』→飯島真理『Rosé』。フュージョンからラテン、ヨーロッパ志向、エレクトロ・ポップへと、編曲家としての坂本の変化を一続きで聴くことができます。
  • 80年代シンガー・ソングライター/ブラック・ミュージックのルート:角松敏生『SEA BREEZE』→杏里『Heaven Beach』→『ON THE CITY SHORE』→八神純子『COMMUNICATION』→鈴木雅之『mother of pearl』→久保田利伸『SHAKE IT PARADISE』。80年代前半のリゾート感覚から、後半のデジタルでブラック・コンテンポラリー寄りのサウンドへの移り変わりがわかります。

大瀧詠一『A LONG VACATION』と寺尾聰『Reflections』は、1981年に同時期に大ヒットした二枚として、並べて聴くのがおすすめです。音の壁で包み込む大瀧と、編曲ごとに洋楽の語法を切り替える井上鑑。同じ年のヒット作でも、スタジオでの作り方はまったく違います。各ルートの途中で洋楽AORに寄り道したくなったら、AOR名盤ランキング100選や80年代AOR名盤10選が地図の役割を果たしてくれるはずです。

シティポップ20選についてよくある質問

シティポップとAORはどう違うのですか?

AORは主に70年代後半から80年代の米国で、ソフトロックやソウル、ジャズの要素を洗練されたスタジオ・サウンドでまとめた音楽を指す、日本で広く使われてきた呼び名です。シティポップは、そうした洋楽の影響を受けながら、日本のミュージシャンが日本語で都市の生活や風景を描いたポップスを指します。サウンド面では共通点が多い一方で、シティポップには日本語のメロディの乗せ方や、歌謡曲由来の作家の筆が加わっている点が大きな違いです。両者の関係はシティポップの源流としてのAORで詳しく解説しています。

最初の1枚はどれを選べばよいですか?

リズムの気持ちよさを重視するなら山下達郎『FOR YOU』、ポップスとしての親しみやすさなら大瀧詠一『A LONG VACATION』、洋楽AORに近い大人の雰囲気なら寺尾聰『Reflections』をおすすめします。配信の有無は作品や時期によって異なるため、各サービスで最新の状況を確認してください。確実に手元に置きたい場合は、CDやレコードで手に入れるのがおすすめです。

レコードで集めるにはどうすればよいですか?

今回の20枚の多くは、オリジナル盤のほかに近年の再発アナログ盤も出ています。たとえば山下達郎『FOR YOU』は2023年に最新リマスターでアナログ再発され、松原みき『POCKET PARK』も2021年に重量盤LPとして再発されました。まずは再発盤で状態のよい音を手に入れ、気に入った作品をオリジナル盤で探すという順番が無理のない集め方です。盤の状態の見方やプレーヤー選びの基本は、AORをアナログ盤で楽しむ入門にまとめています。手放す側の視点が気になる方はAORレコードの売り方も参考になります。

シティポップを通して聴く・手元に置く

気になった作品は、まずサブスクや配信でアルバムを通して聴いてみてほしい。何度も戻ってくる1枚が見つかったら、CDやレコードで手元に置く——AORBreezeがすすめる順番はこれだ。盤で聴くと、セッション・ミュージシャンの細かな演奏やコーラスの重なりに改めて気づくことが多い。

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もっと深く聴きたい人へ

洋楽AORの決定版リストは「AOR名盤100選 完全ガイド」にまとめています。シティポップの心地よさにハマったら、その源流であるAORへ。逆にAORから入った人は、ここで紹介したシティポップへ——双方向に聴き広げると、サウンドのつながりがより鮮明に見えてきます。

※各アルバムの配信状況は時期により異なります。山下達郎など一部のアーティストはサブスク非解禁のため、CD・レコード・ハイレゾでの試聴をおすすめします。

参考資料

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この記事を書いた人

AORBreeze運営者。Boz Scaggs、Steely Dan、TOTO、Bobby Caldwellを原体験に、70〜80年代のAOR・ヨットロック・シティポップ・フュージョンを聴き続けているリスナー。David FosterやJay Graydonら西海岸セッション人脈に注目し、参加ミュージシャン視点でアルバムを掘り下げています。

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