1977年、ロサンゼルスから現れた4人組Player(プレイヤー)のデビュー作『Player』は、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)という言葉がまだ一般的でなかった時代に、その理想形を完璧な形で提示した1枚だ。甘く伸びやかなツインボーカル、隙のないコーラスワーク、そして「Baby Come Back」という永遠のアンセム——。本記事では、このアルバムをどう聴けばいいかを、試聴リンクと全曲の聴きどころとともに案内する。
『Player』とはどんなアルバム?
『Player』は1977年9月1日、RSO Recordsからリリースされたデビュー・アルバム。中心人物は、イギリス出身のPeter Beckett(ボーカル/ギター)とアメリカ人のJ.C. Crowley(ボーカル/キーボード/ギター)という2人のソングライター。ここにRonn Moss(ベース/後にTVドラマ『大胆で美しい』のリッジ役でも知られる)とJohn Friesen(ドラム)が加わった4人編成だ。
プロデュースを手がけたのは Dennis Lambert & Brian Potter。リード曲「Baby Come Back」のヒット性を一聴で見抜いた彼らがバンドをRSOへ導き、この曲は1978年1月に全米ビルボードHot 100で3週連続No.1(R&Bチャートでも10位)という大成功を収めた。続くシングル「This Time I’m in It for Love」も全米10位に届き、デビュー作にしてバンドの代表作となった。
なぜ“AORの理想形”といえるのか
AORの魅力を一言でいえば「大人が安心して身を委ねられる、洗練されたポップ・ロック」。『Player』はその条件をほぼ満たしている。①隙のないツインボーカルとコーラス、②都会的でメロウなプロダクション、③一度で記憶に刻まれるメロディ——この3点が全曲に貫かれているからだ。Eagles直系のウエストコースト・ロックに、ソウル/R&Bのスムースさを溶かし込んだサウンドは、後に「ヨットロック」と呼ばれる潮流の中核といえる。
| リリース | 1977年9月1日 |
| レーベル | RSO Records |
| メンバー | Peter Beckett / J.C. Crowley / Ronn Moss / John Friesen |
| プロデュース | Dennis Lambert & Brian Potter |
| 最大ヒット | 「Baby Come Back」全米No.1(3週連続) |
| こんな人に | Eagles・Boz Scaggs・TOTOが好きな人/AOR入門者 |
まずは聴いてみよう(Apple Musicで試聴)
百聞は一聴にしかず。まずは下のプレイヤーで、アルバムの空気感を確かめてみよう(Apple Musicの登録があればフル再生、なくても各曲の試聴ができる)。お目当てはやはり2曲目「Baby Come Back」だ。
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曲ごとの聴きどころ
2. Baby Come Back|まず聴くならこの全米No.1
アルバムの実質的な看板であり、AOR史に残る大名曲。別れた恋人への切実な呼びかけを、BeckettとCrowleyが完璧なメロディに落とし込んだ。穏やかに立ち上がるイントロ、サビでふっと開ける浮遊感、印象的なギターのオブリガート——どれもが理想的な配置で、初めて聴く人でも一度で記憶に刻まれる。全米3週No.1も納得の普遍性。まずはこの1曲から。
6. This Time I’m in It for Love|もう一つのヒット
全米10位を記録した第2のシングル。「Baby Come Back」のメロウさとは対照的に、軽快に弾むビートが効いた陽性のナンバーで、Playerのダンサブルで都会的な側面を代表する。アルバムに立体感とドライブ感を与えている1曲だ。
8. Movin’ Up|アルバムの地力が分かる爽快AOR
コンパクトながら推進力に満ちたAORナンバー。タイトなリズムセクションと爽やかなコーラスが、ウエストコーストの陽光をそのまま音にしたような開放感を生む。シングル曲の陰に隠れがちだが、通して聴くと「Playerというバンドの地力」が最もよく分かる。
「Baby Come Back」のあの浮遊感を一度でも美しいと感じたなら、あなたはもうAORの住人だ。
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Beckettのギターのオブリガートや、コーラスのハーモニーを「自分でも弾いて/歌ってみたい」と感じたら、プロに習うのが一番の近道。シークミュージックスクールはギター・ボーカルともにプロ講師のマンツーマン指導で、無料体験レッスンから始められる。
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ジャケットや歌詞カードも含めて手元に置きたいなら、CDやアナログ盤を。1977年のオリジナル盤に加え、リマスターCDも流通している。
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このあとに聴きたいAOR名盤
- TOTO『TOTO IV〜聖なる剣』 ─ AOR入門の決定盤。「Africa」「Rosanna」収録。
- TOTO『TOTO』(1978) ─ 名うてのスタジオ職人が結集したデビュー作。
- Christopher Cross『Christopher Cross』(1979) ─ メロウAORの極北、「Sailing」収録。
- Airplay『Airplay』(1980) ─ David Foster & Jay Graydon の理想郷。
📚 AOR名盤をもっと知りたい人へ
▶ AOR名盤100選 完全ガイドを読む ─ 70〜80年代の黄金期から現代まで、決定版リストでAORの全体像をつかもう。
まとめ
『Player』は、ヒットシングル1曲だけのアルバムでは決してない。捨て曲のないソングライティング、隙のないコーラス、都会的で温かいプロダクション——AORが目指した「大人のための上質なポップ・ロック」が、デビュー作にしてここまで高い完成度で結実している。
Eagles・Boz Scaggs・TOTOからAORに入った人なら、間違いなく刺さる1枚。逆にここからAORを掘り始めるのもいい。まずは「Baby Come Back」を、できれば歌詞を追いながら通しで聴いてみてほしい。
※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。表示されるジャケット画像は各音楽サービス公式の埋め込みプレイヤーによるものです。


