Linda Ronstadtのバンドを支え、数々のセッションで腕を振るったLAの名職人Andrew Gold(アンドリュー・ゴールド)。その1975年のソロ・デビュー作は、彼が多くの楽器を自ら弾きこなす“一人多重録音”の妙と、英国ポップ譲りのメロディ・センスが詰まった、隠れたAORの原石だ。本記事では試聴リンクと全曲の聴きどころとともに案内する。
『Andrew Gold』とはどんなアルバム?
セルフタイトルの本作は1975年、Asylum Recordsからリリースされたデビュー・アルバム。Andrew Goldはギター・キーボード・ドラムなど多くのパートを自ら演奏するマルチ・インストゥルメンタリストで、その緻密な作り込みは後年のAOR/パワーポップの先駆けともいえる。
後の大ヒット「Lonely Boy」(1977)や「Thank You for Being a Friend」(1978)は本作には未収録だが、デビュー曲「That’s Why I Love You」やEverly Brothersでも知られる「Love Hurts」のカバーなど、彼のメロディ職人ぶりが早くも全開になっている。
なぜ“隠れAORの原石”といえるのか
Andrew Goldの真骨頂は、ビートルズ/英国ポップ譲りの上質なメロディを、緻密なアレンジで仕上げる職人技にある。派手なヒットには乏しくとも、コーラスワークや楽器の重ね方は驚くほど丁寧。後のパワーポップやAORが愛した“作り込みの快楽”を、いち早く体現したアルバムだ。
| リリース | 1975年 |
| レーベル | Asylum Records |
| アーティスト | Andrew Gold(マルチ・インストゥルメンタリスト) |
| 代表曲 | 「That’s Why I Love You」「Love Hurts」 |
| こんな人に | 10cc・Player・パワーポップが好きな人 |
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曲ごとの聴きどころ
1. That’s Why I Love You|まず聴くべきデビュー・シングル
軽快で愛らしい、Andrew Goldのメロディ・センスが凝縮されたオープナー。きらめくピアノとコーラスワークが心地よく、彼の“一人多重録音”の妙がよく分かる。まずはここから。
3. Love Hurts|名曲カバーで聴かせる歌心
Everly BrothersやNazarethでも知られるBoudleaux Bryant作の名バラードのカバー。原曲の切なさを丁寧にすくい取った歌唱で、Goldの解釈力の高さがうかがえる。
2. Heartaches in Heartaches|職人技の光る佳曲
シングル曲の陰に隠れがちだが、緻密なアレンジとポップな求心力を併せ持つ1曲。アルバムを通して聴くと、Goldの作曲家・編曲家としての地力がよく分かる。
派手なヒットより、メロディとアレンジの“作り込み”で勝負する——その快楽を知る人にこそ、Andrew Goldは響く。
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このあとに聴きたいAOR名盤
- Player『Player』(1977) ─ 全米No.1「Baby Come Back」のソフトロック決定盤。
- Kenny Loggins『Celebrate Me Home』(1977) ─ 温かなソロ第1作。
- Ambrosia『Life Beyond L.A.』(1978) ─ 「How Much I Feel」のメロウAOR。
- TOTO『TOTO IV〜聖なる剣』 ─ AOR入門の決定盤。
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まとめ
『Andrew Gold』は、LAスタジオ・シーンを陰で支えた名職人の出発点。大ヒットこそないものの、上質なメロディと緻密なアレンジに満ちた、聴くほどに味の出るデビュー作だ。
10cc や Player、パワーポップのような“作り込まれたポップ”が好きな人にこそ薦めたい1枚。まずは「That’s Why I Love You」から、その職人技を味わってみてほしい。
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